“おね”への手紙


さて、今回お送りする『信長好感度アップ大作戦』第三弾は有名な“あの”手紙です。

時は天正年間のはなしと思われ、浅井氏滅亡後、秀吉が長浜城主を勤めていた頃のことのようです。
おね(ねね)が多くの土産を携え安土の信長のもとへ久しぶりに挨拶に行き夫・秀吉の愚痴を信長に漏らしたようです。話を聞いた信長は後日、土産への礼状としておねへ宛て手紙を送ります。ちなみにこの手紙は現存しています。

どうやらこの頃秀吉は、多くの側室を持つようになっていたようです。おねはそれが不満で信長に愚痴をこぼしたようです。

信長は手紙の中で次のようなことを書いています。(要約)

そなたは以前よりはるかにきれいになった。そんな女房をもちながら不満を持つとはけしからんやつじゃ!あの“禿げネズミ”(秀吉のこと)がそなたのような女房と二度と出会うことはないのだから、今後は気持ちを明るく、(正室として)どっしり構え、嫉妬心など抱いてはいかん。

しかし、夫の面倒を見るのも女房の役目なのだからいいたいことも少々我慢するように。
なお、秀吉には意見しておくから安心しなさい。
おねが読みやすいようにひらがなを多く使い、おねを気遣いつつ正室としての心構えを解き、信長の人情味の一端が垣間見える手紙だと思います。